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バリ滞在日記前編

バリ滞在日記

DAY1
バリに到着するまでの長いトランジット含めたフライトで丸1日経過。
1時間しかない時差にも関わらず、すっかり気分は日付逆転。
午前1時チェックイン。野犬が吠える以外は物音ひとつしない通り。
電気と水が出ることに感動を覚えつつ。
翌日の午後、約束していたアディ先生が奥様と一緒に迎えに来てくださった。
今回はスアラスクマの松井ご夫婦にお世話になりアディ先生を紹介いただき、
Gender(グンデル)を習いにやってきた。名古屋のスタジオで松井さんに
1〜2度楽器を教えていただいたが全くの初心者。アディ先生に
どこまでついて行けるかは未知数だが、とにかくお願いすることになった。

ご家庭に呼ばれるとまず、数々の楽器。グンデル以外にも竹のxylophone   
やクビャールなどがいくつも並ぶ。傍の部屋では3人のお子さんと近所の子供達が思い思いにはしゃいで遊んでいる、素敵なご家庭だ。早速先生が楽器を2台並べて音を出すと、子供達が一斉に集まってくる。アフリカと同じ構図。
嬉しくなる。
バラフォンも基本そうだが、サシで向かい合って習うスタイルは集中力と緊張感がある。
1時間が限度だと自分で言い聞かせながら、ひたすらアディ先生を真似る。
やっていくうちに、音楽的なことや、文化的な背景に疑問が出てきて話を聞いているうちに
楽しく盛り上がり、あっという間。

それでも、音を出す以外に色々な話を聞けることが今回とても貴重に思う。
アディ先生のお父様、お爺様ともに皆ミュージシャンで、音楽一家に育ったという。
ごく自然に魂の中に音楽があること。それを息子さんにも伝えていること。
やっぱり音楽にまつわる話は世界みんな深く、豊かでいい話だ。

ベーシックなパターンをかじっただけで、日が暮れてしまった。。
宿まで歩いて帰る道とその夜はペンタトニックの5音階スケールだけが頭をぐるぐると回る。
結局明日はどんな展開になるかと、興奮して眠れず。。

夕方レッスン後に先生の奥様(M夫人)に連れられ近所のお惣菜屋さんへ。隣には集会所で子供達が集まってガムランの練習をしていた。指導をする大人はボランティアでイベントがあると皆で出演するためにこうやって練習をしているらしい。
一つ忘れられないお話を伺った。
一番後ろに座っていた体の大きな男の子がM夫人の方に気づき笑顔を見せる。娘さんと同級生ということだ。
ただ年齢の割には体が大きかったのでなぜかと思えば、2年留年しているらしい。学校生活の中で勉強が追いつかない
とそれなりの現実を覚悟せねばならないバリでの厳しさを垣間見るのと同時に、彼がこうやってコミュニティーの中で
音楽を通して自分の役割を見つけ、きちんと練習に通っている、それを大人が見守り導いている、そんな場面になんだか胸が熱くなった。日本の子供達にもこんな場所が日常にあったらどんなに救われる子がいるだろうと、本当に羨ましく思った。社会が、学校が、家庭がしっかりと受け止めてあげられる包容力がバリには溢れている。厳しさの裏に愛が見える。
感銘を受けた出来事だった。


DAY2
朝目覚めると宿のスタッフの女の子が歌っていた。午前中時間があったので近所の通りをふらっと歩いていると
やっぱり歌が聞こえてくる。それも何気なくガムランの旋律だ。かと思えば大晦日のイベントに備えて朝から
集会所では若者が集ってスピーカーを設置するのに余念がなく、そこからは当然ヒップホップとレゲエが大音響でなっている。もちろん向かいの道端にはバリの石像神様たちが睨みを効かせていたりする。
なんだか、それをじっと聴いているかのようにも見える。時間を超えて、文化を超えていろんなものが混ざり合う、それが
インドネシアだなぁと、ここにいると肌で感じる。

今日はメロディーを覚えるのに精一杯で、グンデルに関してはなかなか前進できないまま。午後からスアラスクマのメンバーの方も習いに見えて、見学させていただいた。竹の木琴は本当に穏やかな風のような音がする。風鈴を鳴らしているかのような音の震えと優しさがたまらない。ジェゴグとの大きな違いは奏法にあるということだ。ピッチと大きさも持ちろん違うのだが、ジェゴグがオクターブ奏法するのに対して、こちらは左がメロディー、右手がタイムキープと、グンデルの奏法と全く同様。曲の作り方が同じなので、違う曲であっても雰囲気はとても似通っている。

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それぞれの楽器にはオスとメスが存在していて、ピッチも男性が低く、女性が高い(聞いたところ微妙に響が違う程度にしかわからなかった。。)そう。

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Adi先生

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スアラスクマのメンバーMさんと先生


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これはグンデルでも私が今回習っているものと音階が違う3オクターブのpelog scale ペログ音階のものだそう。音はややダークな響きで深い感じ。

IMG_2281.jpg

こちらが今回教えていただいているグンデルワヤン gender wayan (2oct.) 2オクターブ。

IMG_2279.jpg

明日はマレットのことについて色々。。

この楽器の一番の難しさはなんといってもミュート。
両手で弾いた音を直後に手の側面で止める作業が難関。
ビブラフォンの響きを足のペダル操作でダンパーを使ってる日常が恥ずかしくなるほど難しい。。
マニュアルでやる、アナログな感じに伝統とたくましさを感じる!

明日からまた、頑張ろうっと。



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