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チェロと古典ピアノのデュオ

思い立って、今日は久々にコンサートを聴きに長久手文化の家まで足を運んだ。
使われるピアノが実は現代ピアノではなく、フォルテピアノと言ってベートーベンの時代にあった現代ピアノの前身である。実際の音を聴いたのは今日がはじめて。本日使用されていたのは1800年頃のポークマクナルディというバロックピアノ。

チェロ奏者のSteven Isserli (スティーブンスイッサーリス)ももちろん初めて聞く。
彼のチェロは1726年のストラディバリウス。
(ストラディバリウスってバイオリンだけではないのだと、実は今日知りました。)

ピアノはなんといっても、その風貌。「チェンバロ!だ。」
というのが第一印象。

オープニングの曲はヘンデルの「ユダスマカベウスの主題による12の変奏曲」というもの。まず、涙が出ました。

音がものすごく小さい!(少なくともそう感じる)だがら思わず身を乗り出す。
チェロの音が大きく感じるほどである。
べートーベンも曲を作る際に音のバランスには細心の注意を払っていたそうです。あくまで、チェロの音が消されないように。でもきちんと存在感のある音でチェロより前にでているかのような錯覚を起こさせるのは、やっぱり
作曲者の腕なんでしょう。

今日のプログラムはオールベートーベン。

しかも、

オリジナルの当時のスタイルで最初から最後まで聴ける。


かなり、やられました。衝撃的でした。


あまり知られていない事実ですが、ベートーベン自身がチェロの名手でもあったそう。
バッハのチェロ組曲といえば、チェロ奏者でなくても有名で、ある種の殿堂的な存在だと思いますが、これに比較してベートーベンの「チェロソナタ」は以外に知らない。。

でも、今日聴いて最高でした。

以外と、リズムも後乗りがあったり、ピアノとの掛け合いや絶妙なタイミングのずれ、ユニゾン、もう息をのむプレーでした! (思ってたよりモダンなかんじ。)


ちなみに今日のチェロ奏者イッサーリスさんは、ちょっとパットメセニーに似てる。と、出た瞬間からそっちも気になりました。 (笑)

それからバロックピアノのロバートレヴィンはなんとハーバード大学の人文学教授だとな!

そんなことはどうでも良いとおもいながら、やっぱり音を聴くと繊細な知性がにじみ出ているような演奏でした。

わりと真ん中の席だったのですが、遠目で見てほんっとに手が滑らかで、公演後に舞台のそばに行って楽器を眺めるまでは、この古典ピアノはぜったい黒鍵と白鍵の段差がない!と信じてました。それくらい、手の動きがなめらかで、まるでカミ鍵盤を弾いているよう。

これはほんと、驚異的で、衝撃的でなんで?とおもうばかり。

アンコールは、なんと意表をついたバッハのマタイ受難の中から。2人とも弾き終わった後の余韻が10秒くらいあって、その瞬間が自分的には極上の時でした。 


何はともあれ、癒され、驚き、泣き、十分すぎる2時間でした。


Steven Isserlis (cello)
Robert Levin (Forte piano)
11.25.2012 @長久手文化の家 森のホール


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Author:tono
HITOMI TONO'KA "what I've got to say is.."

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